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一刀両断 実践者の視点から【第236回】

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「道徳」から「動徳」へ

<女子高生、母親に灯油を入れるよう言われ立腹…灯油を浴びせて着火図る>(読売新聞オンライン)という見出しの記事に驚いているが、背景には未遂に終わった行動が存在するに違いない。
 どのようなやり取りや日頃の関係があったかは推測の域を出ないが、尋常ではないとも思えない。何故なら殺人の半数以上が家庭内で起きているというデータがあるからだ。
 怒りのコントロールが出来ないで後で後悔することは多い。娘は殺人未遂で逮捕されたが今後の親子関係は修復が極めて困難になる事は容易に想定される。
 確かに、この娘の行為は犯罪ではあるが、そのように育てられたという見方も出来る。親を殺したいと思う子どもは増えているのではないだろうかとコロナ禍だからこそ感じてしまう。
 こうならないようにするには予防が必要になるが、感情のコントロールを学ぶ教科はない。敢えて言えば道徳かもしれないが、現在のような教材解釈の域を出ない道徳では予防にもならないだろう。だからこそ、感動、行動する「動徳」が必要なのではないだろうか。
 次の通り、講義動画がある。ご覧いただきたい。
https://youtu.be/CK16PsuMw14
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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