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9歳までの「自分力」教育

19面記事

書評

やる気スイッチグループ 著
やる気引き出す条件など提示

 昭和48年に千葉県君津市で進学塾開設から出発した「やる気スイッチグループ」は現在、個別指導塾、英語で預かる学童保育、知能育成と受験対策教室などを展開する民間教育事業者。教育する上で大切にしているのが「自分力」という概念で「自分で考え、自分で決め、自分で行動する力」と説明する。
 一部、現在の学習指導要領と重なる部分がある。その育成が「9歳まで」というのは、より望ましい発達段階ということで、中学生、高校生でも「自分力」の土台は育成することはできるとしている。
 本書では9歳までに「自分力」教育が必要な理由、その土台をつくる手だて、全国の各教室で「自分力」の土台を築いた子どもたちの成長ストーリーを、さまざまな教室の講師、受講した子ども本人、保護者が語る形式で紹介した。また、民間と公教育で補完し合う未来の教育など、これからの時代の教育の役割を展望する章など、全4章で構成する。
 公教育でも主体性の育成は重視されている。だが、教師がお膳立てした上での子どもの主体性発揮という活動も一部にあることは否めない。「まず行動を起こす」「ギリギリ越えられそうな課題に挑戦する」が「やる気スイッチ」が入る条件であり、子ども自身が入れるスイッチをサポートするための目標設定、行動、結果の把握、振り返りの在り方は公立の学校・園でも参考になるのではないか。
(1650円 小学館集英社プロダクション)
(吹)

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