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一刀両断 実践者の視点から【第278回】

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論説・コラム

講師採用の問題

 講師採用のあり方を本格的に見直す必要があると思える記事が出た。女子中学生の身体を触ったとして有罪判決を受け執行猶予中の男性が小学校の非常勤講師として勤務していたという。
 非常勤講師の採用に当たっては、刑の執行猶予などの情報を得る事は難しい。そのためには、警察や裁判所との連携が必要ではあるが、簡単には進まない。情報を共有してもらえないのならこうした採用は防ぐことが出来ないし、採用規定にも明記できないから、このような事態が起こる。
 個人情報保護条例が犯罪よりも優先されて採用選考のベースに乗らない場合も考えられるし、仮に警察や公安から情報が得られても活用できるかどうか分からない。
 ただし、今回のケースは採用事情から「疑わしきは罰せず」の我が国の法の在り方からすると社会通念ではアウトでも法的にはスルーされてしまう。
 よって本人が社会的に制裁を受けても、病気のレベルだとすると、明らかに受け入れないか徹底した治療を義務付ける必要があると私は考える。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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