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教師×転職 「辞める」か「続ける」か、二択を超えて視野を広げる18の転職ストーリー

16面記事

書評

教師の未来を応援する会 編
離れて分かる魅力、戻った人の話も

 「教職から離れた人」を扱った書籍である。心身の疲労や病気を理由に、教員を続けられなくなることを扱ったものは、これまでも見られたが、新たな活躍の場をどう見いだしたのか、教職を離れた立場から学校や教師がどう見えるのか、といったことに踏み込む本書の姿勢は斬新である。決して職場(学校)・職業(教職)のネガティブな点や「恨み言」に終始するわけでなく、教職を離れて分かる教職のポジティブな点や魅力も語られている。
 入職前・入職後を問わず、教職に迷いを感じている人には、視野を広げ、さまざまな選択肢を考えるきっかけになるのではないか。また、大きな迷いなく現在教職にある人にとっては、「離れる人」が見ている世界を知ることや、同僚として・上司として、どういう職場を共有するのが良いかを考えるきっかけにもなろう。「辞めた人」だけでなく「戻った人」への取材も行われており、バリエーション豊富な語りは、読むだけでも刺激になる。
 教師不足が政策課題となる中で、ややもすると「教職か、それ以外か」「教師を続けるか、辞めるか」と関心が狭まりがちだが、本書が提示するのは一社会人として自分に合った職業を選択し、心身健康に働くことの重要性である。「働く人」の幸せという観点から教職の魅力を考える上でも、教職の「中」と「外」を両方知る人の語りは参考になるだろう。
(1980円 教育開発研究所)
(川上 泰彦・兵庫教育大学教授)

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