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一刀両断 実践者の視点から【第281回】

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論説・コラム

卒業式の窃盗

 卒業式中に生徒71人から計79万円が盗まれたという。あり得ないようであり得る記事が目を引いた。
 一人平均一万円を超える額を持っているのだから、最近の学生事情は変わった。こうしためでたい日には隙ができるし、誰もそんな事はしないだろうという心情が働くものである。
 その心理を予測して窃盗するのだから狙う方からしたらさほど難しくはない犯罪になる。
そんな事は起きないと根拠のない過信が引き起こした。めでたい日には水を差す事件となった。
 推測すると、それだけの金額が期待できなければやらないはずだから、その事情を知っているものの仕業となる。
 防犯カメラの設置や金銭管理の課題は気になるが、一番は卒業式にとんでもない思い出が出来てしまった心情が残ることが気になる。学校は安心安全の場であるのに、金銭を置いておいて犯罪を誘引するような安直な方針が存在していた事に驚いてしまう。稀に見る甘々の管理体制と指摘したい。
 私が管理職なら盗まれた全額を自費で補填し謝罪するだろう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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