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一刀両断 実践者の視点から【第287回】

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論説・コラム

教育実習生への指導

 《教育実習中に暴言パワハラ受けた 高知、被害学生が記者会見で訴え》(共同通信)という見出しの記事が出された。事実は分からないが、よく耳にする話である。
 被害学生の言い分が全てだとするとこの担当教師の言動は普段からのものか、明らかに不適切な言動が学生にあったのかになる。
 教師側からすると日常の仕事に無償で加えられるのだから多忙になるし、その学生が適性に乏しいとそのフォローだけで一仕事になり、授業のやり直しも求められる事になる。
 本人が希望すれば、教師になるのは難しいと思われる学生も、大学側は実習校に出すのが当たり前になっている。
 私も校長の頃、何も準備もせずに実習に来た学生がいた。遅刻、早退、居眠り、未提出と明らかに資質に欠けていた。教師への希望はあっても不適な者が最近はかなり増えているように思える。
 また、教師側の資質も問われるが管理職が任せっきりにしている事が多く、受け持つ教師への指導や助言を事前にしている事がほとんど聞こえてはこない。ある意味、頼みやすい教師に頼むから指導は出来なくなるのではないだろうか。
 この両側面からの改善が何十年とされてはいないのである。犠牲はすべて児童生徒に被ってくる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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