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自己調整学習力がぐ~んとアップ!夢中を仕掛ける「教えない」授業

14面記事

書評

丸岡 慎弥 著
指導ポイントを具体的に解説

 小学校教師の著者は、教育サークルやたがらすの代表、関西道徳教育研究会の代表でもある。教師の挑戦を応援し、挑戦する教師を応援し合うコミュニティー「まるしん先生の道徳教育研究所」を運営。自身の道徳授業実践も公開している。
 本書は著者が10年間取り組んできた子どもたちに学びを任せる「教えない」授業に必須の指導ポイントを示し、著者の経験を基に、即イメージできるキーワードにあふれている。「『最後は個別学習』をいつも意識する」「完全に教師が学びを放棄するのでもなく、完全に教師の責任とするわけでもありません」「低学年よりも高学年ほど、『学びの責任』が移行していくように意識していく」と、平易に、そして具体的に示す。
 さらに、「子どもたちは、スキル(学習に必要な行為)をもってはじめて自分で動けるのです」「答えは子どもの中にある」と、教師なら目を引く項が多く散在している。中でも、評者が最初に目を通してほしいのはChapter5の中の「学びをリアルな社会につなげる」ページである。それは実学に通じるからである。
 できればやってはみたいけど無理かな、本当にできるのだろうかと思っている先生は多くいるだろう。ぜひ、本書を頼りに、できるところから取り組んではいかがだろうか。親しみやすいイラストも添えて時代の潮流を感じさせてくれる。
(2090円 学陽書房)
(大久保俊輝・麗澤大学教職センター長)

書評

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