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一刀両断 実践者の視点から【第289回】

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公立高校の採点ミス

 《公立高校入試で採点ミス933件 6人誤って「不合格」 千葉県教委》(朝日新聞DIGITAL)という見出しの記事を見て、変わってないなとため息が出た。
 複数人でチェックをしていてもこれほどまでのミスになる事はまずないだろう。採点者は別に仕事があり、不慣れなのであるから間違いは起きやすくなる。それを想定してマークシートにした事を思い出す。
 また、指摘がなかったらこのままになっていたのだから責任はかなり重い。頭を下げる幹部は実際には携わっていないのだから気持ちがどこまで入っているのかは疑問だ。
 ここで大切なのはどのような採点ルートと点検事項を出していたかである。ここに抜け穴があったとしたら過失と指摘されても致し方ないだろう。
 このような出来事は千葉に限ったことではない。他もヒヤヒヤしているようにも感じられる。こうしたミスが起きる背景には、流れを何度も見直す思索と時間が必要になる。他の本務や議会答弁などに追われていては、どうしてもやっつけ仕事になり何年かに一度のペースでこうした不祥事は起きている。
 何度繰り返したら改善が図れるのだろうか。これもリーダーの意識が希薄だし予算を増やして余裕を持たせてこそコンプライアンスの精度が上がるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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