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「読みの三層」を提言 国語の力伸ばす授業例紹介

8面記事

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茨城県の教員らが書籍

 学芸みらい社はこのほど、「国語学力UP! ザ・中学国語授業:言語力3倍深まる『学習の手引き』活用術」(鈴木一史編著)を刊行した。茨城大学教育学部附属中学校で毎月開かれている研究会「ことばをひらく会」所属の教員らが執筆を担当。同校だけでなく、県内の他中学校の教員も参加した。
 本書は、PISA調査による「世界で求められる国語スキル」や、教科書の構造に基づく「読みの三層」を提言している。板書の構成、教材研究や生徒のつまずきポイントなども解説。教科書には記されていない「読解の答え」も掲載した。
 「読みの三層」とは、学習指導要領にある三読法の捉え方のこと。三読法とは読む順序を示したものではなく、観点であり「層」として捉えるというものだ。
 各章では、教科書でよく取り上げられる作品を使った授業例を説明している。1章では物語・小説を扱った。「少年の日の思い出」や「走れメロス」など、7作品を取り上げた。2章では、説明文・評論の授業例を5作品分紹介。3章の古典では、「矛盾」や「平家物語」「おくのほそ道」を収録している。
 「少年の日の思い出」では、7時間の授業を想定。主人公を誰とするのか、物語の起承転結をどのように設定するのか、ということに重点を置いた授業例を紹介している。教員からの発問と、それに対する生徒の予想反応なども載せた。
 各作品の最後には、生徒に配布できるルーブリック(評価基準)や、実際に使用しているワークシートをダウンロードするための二次元コードが付いている。印刷・配布することで、授業にすぐに活用可能だ。
 A5判、160ページ。定価2640円。
 同社ホームページ(https://www.gakugeimirai.jp/)のオンラインショップなどから購入できる。

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