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一刀両断 実践者の視点から【第306回】

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しなやかな生き方

 有名な歌舞伎役者が自殺を図ったと言う記事が衝撃的に飛び交った。テレビや舞台でも何度か見たことのある方だ。遺書があったようなので今後明らかになる事ではあるだろうが悲惨な事実が想定される。
 煌びやかな世界に見える歌舞伎、現代的に言えばストリートパフォーマンスと言われる華やかさがあるが、その裏に想像を超えた死へと結論を急ぐ出来事があったと言う事になる。
 ちなみに遺書のない場合、電車の人身事故は自殺とはならない。不審死として処理される。自殺に加えたらとんでもない数の人間が自死しているのが日本となる。
 教師はある時は役者になって子供達を魅了して惹きつけなければならない。そのパフォーマンスは「五者」に例えられる。
 ある時は学者、またある時は易者と観衆である子供や保護者を魅了して難しい事を簡単にそして面白く教える役者であれと言われる。
 しかし、その足元は家庭人であり、人からの評価を気にしてしまうは平凡な一人の人間には変わりはない。いくら繕ってもメッキは剥げる。格好の悪い自分をどこかで曝け出し素となる事をお勧めしたい。
 しなやかな生き方とはそうしたガス抜きのできる役を真から出来る弱くて格好悪くてお茶目で泣き虫な子供のような自分を認める事が必要ではないだろうか。連休明けの今、そんな素の姿を管理者から披瀝して笑いを取ってはどうだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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