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SSW、配置拡大に中長期計画を、関係者ら要望

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 スクールソーシャルワーカー(SSW)の配置拡大を求め、NPOや大学教員らが24日、文科省内で記者会見を開き、SSWの常勤化に向けた具体的な中長期計画の作成などを国に訴えた。いじめや不登校の増加など、子どもを取り巻く課題が顕在化する中、現状ではSSWが継続的に支援に関わることが難しく、教員の多忙化解消にもつながりにくいとしている。
 会見には大阪公立大学の山野則子教授、日本大学の末冨芳教授、社会福祉士を養成する学校でつくる「日本ソーシャルワーク教育学校連盟」、NPOスクールボイスプロジェクトの4者が参加。増員のための中長期計画の作成の他、SSWの職務内容などを法律に位置付けることや国庫負担の対象にすることを要望した。
 SSWの職務範囲や内容は現在、学校教育法施行規則での規定にとどまっている。これに対して、末冨教授は「福祉の専門家として、子どもの課題にアプローチする権限がない」として学校教育法で職務などを明確に位置付けるよう訴えた。
 会見ではスクールボイスプロジェクトが今年5~6月に実施したウェブアンケート(回答324件)の結果も発表された。「教員とSSWの連携により、早期介入ができ、課題の深刻化を防止できる」と95%の教職員が答えるなど、SSWの役割に期待する声があった。一方、「SSWの勤務日数が少ないため、情報共有しにくい」と90%の教職員が答えた。
 オンラインで会見に参加した現職SSWの小谷綾子さんも、「1週間も空くと支援に入る子どもの状況も変化しており、対応が追い付かない。常勤化されると毎日教員と相談しながら継続的に支援を考えられる」などと話した。
 SSWの配置状況は自治体によって大きく異なっている。文科省の資料をもとにスクールボイスプロジェクトが算出したところ、1校当たりの配置時間は、35%の都道府県、指定都市、中核市が週1時間未満だったという。

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