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CBTでプログラミング技術評価 電気通信大学 注目大学に聞く(3)

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成見 哲 副学長(入試担当)

 電気通信大学は令和7年度入試から前期試験で「情報I」を出題する他、特色入試の一部でCBTを導入する。成見哲副学長に狙いを聞いた。

 ―前期の二次試験で課す「情報」の概要について教えてください。
 二次試験は、英語と数学の他、「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「情報Ⅰ」から2科目を選択しますが、共通テストで基礎的な力を測るため、個別試験では知識だけでなく思考力や判断力も問う出題をしたいと考えています。「情報Ⅰ」については、浪人生が不利にならないよう、必須とはしませんでした。選択科目だからこそ、「解きがい」のある問題にしたいですし、「情報」は得意だという人には本学を受験してほしいと考えています。年内に試作問題を公開する予定です。

 ―昨年、大学入試センターが共通テストの試作問題を公表しました。問題の印象は。
 学習指導要領の内容から、知識を問う問題と、プログラミングについて問う問題がバランス良く出題されているように感じました。

 ―特色入試の一部をCBT方式で行います。紙の試験との違いは。
 Ⅰ類(情報系)の学校推薦型選抜と総合型選抜(昼)で、基礎学力検査として情報Iと数学をCBTで行います。情報Iでは、紙では出題できない、実際にコンピュータ上でプログラムを動かして修正しながら正しい答えにたどり着く力を測りたいです。特にデータサイエンス系の出題では、多くのデータを分析し、特徴を捉える能力を見ます。数学に関しては幅広い分野から出題しますが、CBTはそれに適しています。また、面接の参考にするための就職試験の適性検査のような非認知能力検査もCBTで行います。

 ―どのような人材を育てたいですか。
 電通大では王道的な情報学を教えます。現在では簡単にアプリやホームページを作れるサービスもありますが、情報技術の仕組みをしっかり理解していないと大きなミスにもつながります。入学後には学部生全員がコンピュータのハードウエアやプログラム、言語などを勉強します。言語を実際に自分でつくれるとそういうミスはしにくくなるのではないでしょうか。実際につくれるような技術を学ばないと改良することはできません。

 ―情報Ⅰが必修化されました。高校現場に求めたいことは。
 生のデータに触れてほしいと思います。実際に自分たちでデータを取って、それを基に分析する経験ができるとよいでしょう。「情報」は、プログラミングなどを通して問題解決していく手段を学ぶ教科です。身の周りの疑問を、ICTを使って分析するような学習を経験してほしいと期待しています。

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