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一刀両断 実践者の視点から【第343回】

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金銭的不祥事を防ぐには

 《千葉県教委 着服した中学校事務職員など6人を懲戒処分》(千葉テレビ放送)という見出しの記事があるが、事務職の金銭横領は定期的とも言えるほどよくニュースになる。私が管理職選考に関わっていた時も同じような不祥事があった。
 そこで管理職の試験に事務職や養護教諭そして栄養士などの事も加えて出題してはと何度となく提案したことがあった。金の流れに携わるから見えにくくなり裁量権が委ねられてしまうからである。
 特に金銭や事務処理の流れについて理解しておかないと、管理職としては、言いなりにされてしまいかねない。教育者として教育課程の管理は馴染んでいても、旅費執行や福利厚生さらにスポーツ振興関係となると説明を受けるだけでお任せになっているのが現状なのである。
 こうした事務を管理指導する行政の体制も曖昧で自主的に集まってチェックしているが、会計士が指導監督するようなシステムにはなっていない。すなわち軽視され続けているのである。
 また、支払いや借金の情報も相談できるシステムやそうしたドツボにはまらないように注意喚起をする必要がある。何故なら学校の教職員は悪人のターゲットにさせている事を当人達から聞いた事が何度もある。
 その意味でも不祥事が起きやすい位置にいる事や狙われている事を予防する対策をシステムとして整備する事は、本気になれば簡単なはずである。繰り返す不祥事は本来防げるものばかりなのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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