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女子生徒が大学でIT通じデザイン学ぶワークショップ キッズドアのプロジェクト

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 デジタル関連企業のアドビ(株)と認定NPO法人のキッズドアは7月22、23の両日、千葉大学の墨田サテライトキャンパス(東京・墨田区)で、女子高校生を対象にITを学ぶデザインワークショップを開催した。女子がITについて学べる機会をつくる「IFUTO」プロジェクトの一環として行い、アドビが協力した。参加者は、アドビの開発したアプリを使ってチラシのデザインの方法を学んだ後、缶バッジの制作を行った。
 22日には約20人の生徒が千葉大学のイベントスペースに集まり、貸与されたパソコンでオンラインのデザインアプリ「Adobe Express」を開いた。講師を務めるのは、イラストレーターの北沢直樹氏。
 取り組んだのは、アプリ内のテンプレートを用いて文字や画像をアレンジする作業。最初の課題は、魚などの写真を含む水族館の背景に自分の夏休みの目標を入れたチラシを制作するというものだ。北沢氏は制作過程を説明後、写真選びや、みずみずしさを感覚的に訴える「シズル感」を大切にするといったアドバイスを行った。
 このワークショップは、全10回の講座が計画され、最終的にはTシャツをデザインして販売することを予定している。
 キッズドアは昨年度、IFUTOプロジェクトを立ち上げ、同様のワークショップを行うのは2回目。IT関連の分野に興味を持っているが、経済的な理由からパソコンなどに接する機会が少ないといった事情を持つ女子生徒の支援が目的だ。過去にキッズドアが行ったプログラミング講座には、女子の受講者が少なかったため、ファッションやデザインをテーマとした。
 ワークショップの告知は、キッズドアのHPや千葉大学、墨田区を通じて行った。参加者には交通費や昼食代を支給。夏休み中に課されるデザインの課題に取り組むため、Wi―Fi機器も貸し出した。
 キッズドアの渡辺由美子理事長は、高校生のワークショップへの参加が、大学入試の総合型選抜などでアピールする機会にもなると考え、今後はオンラインでの講座を行いたいと話した。

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