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13歳からのアンガーマネジメント ガマンしない・傷つけない 上手な気持ちの伝え方

14面記事

書評

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 監修
松井 晴香 著
価値観の違い認め合えるように

 アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた怒りの感情と上手に付き合うための心理教育や心理トレーニングである。
 本書は、アンガーマネジメントの考え方を基本に、怒りの上手な伝え方について書かれたものである。「怒らない」ことではなく、「怒る必要のあることは上手に伝えて、怒る必要のないことは怒らないようにする」ことを目指している。著者は、アンガーマネジメントができるようになると、自分と人との価値観の違いを認められるようになるという。
 第1章「うまく怒れない私たち」に始まり、第6章「上手な怒りの伝え方」まで、ワークを含む、38のコンテンツで構成されている。第3章8「自分を怒らせるものの正体は?」にあるワークを通して自分の怒りについて向き合うことができる。第6章37「どうしてほしいかを伝える」のワークを通して、「怒りとは、自分のリクエストを伝えること、不満や愚痴を言うことではない」という意味を理解することができる。
 子どもたちは周囲の大人が怒る様子を見て怒りの表現を覚える。本書は、思春期を迎えた中高生がアンガーマネジメントを学ぶために書かれたものではあるが、子どもを取り巻く大人も手に取り、自分の怒りの正体を見つけてはいかがだろうか。
(1980円 合同出版)
(伊藤 敏子・仙台市教育局学びの連携推進室主任)

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