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スクールリーダーのための教育効果を高めるマインドフレーム 可視化された学校づくりの10の秘訣

14面記事

書評

ジョン・ハッティ、レイモンド・スミス 編著
原田 信之 訳者代表
子どもも教師も伸ばす学校経営

 本書は、生徒の学力を高める学校を導く「できる」リーダーの特性はどのようなものかについて「10のマインドフレーム」を紹介している。特徴的なのは、「何を実践するか(すべきか)」という行動の提示ではなく、その根底にあるべき「なぜそれを実践するのか」という信念や価値観(マインドフレーム)に着目しているという点であろう。
 また、子どもがよく学び育つ学校と、教師が力を発揮し、能力を伸長させる学校には共通性がある、という考え方が一貫している点も特徴的である。すなわち、よく子どもを伸ばすための教育や学習のデザインは、そのまま教師の力を伸ばす学校マネジメントにも応用できる、という考えが示されている。
 これを受けて、10のマインドフレームは、学校が向かうべき方向性に関する「診断」の場面のもの、診断を受けて「介入」を検討する場面のもの、それらを同僚教師との協働において「実施」する場面のもの、その結果を適切に「評価」して次のサイクルに向けた「診断」として活用する場面のもの、といったように、生徒の学習に関する改善プロセスになぞらえて提示される。目の前の子どもの学力を伸ばすべく備えるマインドフレームが、部下・同僚や組織の力を伸ばすのにも活用できるという構造は、「良い教師」と「良い管理職」を連続的に捉えるヒントにもなるだろう。
(2970円 北大路書房)
(川上 泰彦・兵庫教育大学教授)

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