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一刀両断 実践者の視点から【第372回】

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愛読書を面接で尋ねてはいけないのか

 《就職面接で愛読書聞かないで 滋賀県教委が企業に要請、背景に「趣味は読書」増加》(京都新聞)という見出しの記事に首を傾げた。この文面ではどうも釈然としない。
 これまで思想信条の調査をする意味で面接で聞いた事はなかったが、確かに傾向から不向きな思考性は伺い知れるかもしれない。しかし、それは選考試験なのだから当然ではないのだろうか。
 競争試験、すなわち点数のみで結果を出す機械的な手法が事件事故を引き起こしている面があるのではないだろうか。公正公平のためにこうした事まで制約するとなると、人物の適性を判断する事も困難になりはしないだろうか。
 以前校長の頃、教委に呼び出されて録音されながら、あなたはこの宗教団体とはどのような関係ですかと聴かれた事があった。立ち合いは学校教育部長と指導課長だった。噂を確かめたかったのだろうが明らかな憲法違反であった。
 次期教育長が録音テープを調べてくれたが存在が確認できなかった。こうした不法行為こそ改めるべきで、そうした事を平気でやってしまう人物の思想信条を知る意味では、普段からどんな思考をしているのか。どんな趣味を持ち、どんな本を読んでいるのか確かめて欲しいものである。
それにしても大津のいじめ事件からして、判断にかなり違和感が感じられるのは何故だろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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