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一刀両断 実践者の視点から【第378回】

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すりおろしリンゴで死亡

 《すり下ろしリンゴ食べて死亡、保育園女児の父親「なぜ」と涙…鹿児島・検証委が原因究明進める》(読売新聞オンライン)という見出しの記事が出た。
 すり下ろしリンゴはよくやる離乳食である。そして消化のために生でなく煮てから私は与えていた事を思い出す。歯も揃っていないし食道と気管支の部位も未熟なために誤嚥して咳飲むことがよくあった。
 最悪を想定する事がプロとして基本のはずである。1センチ近い固形物が気管にあったという。事実なら、すり下ろしたとは言えない物証として幼児においては窒息死するのは当然と思える。それも仰向けにしたとなると窒息する検証でもしているかのようである。
 子どもの身体的な特徴を念頭に、常に最悪を想定して演習する学びを教員・保育士養成段階でやっているだろうか。
 小学生の視野の広さが話題になった事があった。左右や上下も大人の視野とは異なり、かなり狭まれてしか見えていないという事実に、身体が未熟で有る事を痛感した事があった。
 その視点から目線の高さを1メートルにして歩いたことがある。フックなど危険は至る所に隠れて見えた。今回の不幸な過失が多忙勤務の無理から来ているとしたら制度を変えないと防げないのかもしれない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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