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子どもの思考を深めるICT活用 公立義務教育学校のネクストステージ

18面記事

書評

柏木 智子、姫路市立豊富小中学校 編著
活用場面ごと 子どもの学び分析

 本書の大半を占めているのは、ICTを活用した義務教育学校での実践事例である。1年生の算数から9年生の英語や、道徳や特別活動、特別支援、通級指導まで47の試みを「授業や活動等におけるICT実践事例」(第Ⅱ部)に、国語科での遠隔授業などを「遠隔合同授業および図書館でのICT実践事例」(第Ⅲ部)に、それぞれ収めた。
 授業実践は見開き2ページに配置し、見やすい。各ページには「使用するアプリ」や「教材と単元のねらい」、「単元の流れ」の中でICTを活用した場面を明記した。思考を深める、表現力を高めるなどの「ICTの活用場面」を具体的に掲示し、「ICTの何を、どのように使うのか」「子どもの変容」が分かるようにした。「活用場面」では授業での発問、子どもの反応を掲載し、活用場面ごとの「子どもの学び」の様子を描いた。併せて活用場面ごとの「子どもの姿から見えたこと」を分析した。
 本書の第I部「ICTを活用した学びのネクストステージに向けて」では、こうした実践事例を「全ての先生がトライ&エラーを繰り返しながら、よりよいものへと日々更新している途上にあるもの」と位置付け「実践研究集の性質も有しています」と述べている。
 さまざまな事例を見ていくと、ICTを使って有効な活用場面が理解できるかもしれない。自身の授業でどうICTを活用するか、悩んでいる先生のヒントになる。
(2420円 晃洋書房)
(矢)

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