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一刀両断 実践者の視点から【第388回】  

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週5日、「10分で昼食」の体験を
 
 《給食は10分で、新しい業務が次々…学校現場にも働き方改革を、教職員が街頭で訴え 鹿児島市》(南日本新聞)の記事、教職員なら納得だろう。定年を過ぎても昔の癖でついつい早飯になって指摘をされる事がある。
 ゆっくり食べる習慣がないと言うか、許されなかったと言った方が適切かも知れない。校長となると検食をせねばならないので、不本意ながら残す事も多くあった。早く食べると消化も悪く何を食べたのかも記憶に残らないのは事実で、内臓への負担は当然の事になる。
 配膳の指導をして子供の食べる様子を確認しながらとなると、味わってとかと言う感覚はほとんど生まれない。ランチの時間が十分に確保されていない。この要素は教える内容を日課表に入れてもキツキツで休み時間や食事の時間を圧縮せざるを得ないからである。教科を分けないで合科にして授業時間を減らす事をよしとしないのは、「ゆとり」により、おかしくなった。学力が落ちた、と主張する者がいるが、週5日ランチ10分を体感してから言って欲しいものだ。
 とかく、「委員」と呼ばれる人物がいる。数ヶ月小学校一年生の担任をやってから委員に任命しないと報告書や参観だけで安直に決めてしまう大悪をしてしまうものである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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