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一刀両断 実践者の視点から【第400回】

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保育園児への虐待

 《「何でそんなことができるの…」吐いた食べ物無理やり食べさせ…感染症の症状ある子にキス 保育士が園児に「虐待」被害園児の保護者が怒り》(MBSニュース)という見出しの記事によると、この園で起きたことはあまりに酷く、明らかに犯罪である。
 こうした犯罪を認識して放置した罪は相手が幼児となるのだから無抵抗に複数で行われた犯罪なのであり、関係者全員にその責任が問われる。
 不思議なのは同僚たちの感覚が麻痺している事である。この酷さからすると内部リークはもっと早くできたはずであり、そうしなければやがて表沙汰になるのは容易に分かるはずである。
 これらを指導監督する責任者の機能不全は勿論だが、保育士としてのコンプライアンスや人間性が完全に崩壊している事が分かる。
 こうした場合の対処の仕方を養成段階で学ぶ事は皆無だろう。こうした現実から学ぶ危機管理や道徳の実行性を養う必要がある。
 また、幼児となると言葉で伝えられない為に発見が遅くなる事からカメラなどで把握する必要もある。そんな事はしないだろうと決めつけている中に起きやすいからである。
 気になるのはこうした経験をさせられた幼児の今後の生育にあってかなりの影響が想像される。検証をして実践的に保育を学ばせる必要があるのではないだろうか。
 こうした行為が出来た保育士や同僚の背景や経緯を犯罪として聴取する必要がある。そして資格剥奪は勿論のこと精神性の異常がどのようにして起きたのかまでも分析し公表すべき案件ではないだろうか。
 歴史に残る残忍な事実であり、後世の戒めとして残すべき事案である。徳島の山間で起きていた幼児虐待の残忍な事件として語り継ぐべきである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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