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一刀両断 実践者の視点から【第401回】

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「警視正」の犯罪

 《不同意性交疑いの警視正、関係先から複数の「始末書」 被害者は複数人か 広島県警が送検》(中国新聞社)という見出しの記事には多くの真面目な警察官は落胆し、憤りを隠せなかったはずである。
 それも教官となると教え子たちの心理が気になる。何かおかしいと感じていたなら、やっぱりと呆れるが、信頼していたのならそのダメージは計り知れない。
 犯行の幼稚さは明らかで、やがてこうした結果にはなっていたと想定されるはずである。こうした人物が出世するのは、上手く立ち回って上に都合のいい対応が出来て来たからではないだろうか。
 とかくトップになる方がさも偉そうに高説を述べるが、私は信じてはいない。何故なら、私も県の人事を担当していて、「お言葉ですけれど」と何度か言った事で、左遷をされ札付きにされたからである。
 また、望ましい教育長が誕生して、「先生のお陰で正常になりました」とわざわざ出向いて来られて礼を言われたので、「何か委員でもやりましょうか」と更なる協力を申し出たところ、「それは結構です」と拍子抜けした返事が返ってきた。
 自分を引き上げてくれる上司のイエスマンでなければ、トップにはならないし、なれるわけがないのである。
 日大のケースを見ても分かるように本当の改革をするならば、背水の陣で「お言葉ですが」と言えるような人物を抜擢しなければ、権力を持った事で悪事を働く輩は無くなる事はない。
 上が腐ると下まで腐る危険があるので、安易に肩書きで信じてはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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