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一刀両断 実践者の視点から【第407回】

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論説・コラム

講演するなら筋を通して

 尊敬する先生に様々な講演依頼が来るらしい。主義主張の真逆な所から来ても講演を引き受けると聞いて首を傾げた。
 自分の主張を通せば、必ずぶつかるからである。敢えて乗り込んで意識改革を図るのなら潔いが、そうではないとしたら忖度する講演になる。
 小学校教員として体育主任を務めたことがある。体育主任として、運動会の徒競走の提案をしたところ、夫が市の保体課長でもある学年主任の先生が、初任2年目の私に、「何で順位を決めるのですか?ゴール前で皆並んでテープを切ったらいいじゃないですか」と耳を疑う提案をされた。
 「では代案を明日までに出してください」と切り返した。こうした先輩が会議を引っ掻き回していた。
 そう考えると皆に迎合するか筋を通すかのいずれかになるのである。
 尊敬していた恩師を今の立場になって客観的に見ると、がっかりする事が極めて多くなってきている。憧れのままでいてほしかったと思えてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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