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一刀両断 実践者の視点から【第408回】

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日本の高校に通っても

 《立ち合いで手をつかない豊昇龍に審判部が「注意」 粂川審判長「ひど過ぎ」と苦言》(スポニチアネックス)という記事がある。その放映をリアルタイムで見ていたが、あまりに品格がなく強い違和感を持った。
 日本の高校に通ってから相撲部屋に入っている力士なので、日本の相撲への理解は深いと期待していたが不安がよぎった。それは大関という地位がそうさせたのではないかと思えたからである。
 世界にはさまざまな価値観がある。身についた価値観はそう簡単には変える事は出来ない。
 日本人の習性が極めて稀なものかもしれない。被災地で自ら進んで配膳当番をやったり、列を乱さず並ぶといった場面がニュースになる。私達からしたら身に付いた習性となっているからそんなに驚く事なのかと思えてしまう。
 そう考えると出身国が異なれば、注意は受けても何が悪いのかが腑に落ちていない様に思う。
 醜さや品格が無いという事を多くの相撲ファンは感じたに違いないだろう。
 行司が脇差をさして勝負を見極める覚悟で臨むのならば、昨日の手もつけないで相手を長時間睨むという番付上役になる大関の醜態は、私が審判部なら挙手をして大聴衆の目の前で指導をする事で相撲道の品格を示しただろう。何故なら伝統の国技だからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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