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不安が強い子に 認知行動療法を

10面記事

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専門医がプログラム開発

 自閉症の傾向や、不安感の強い小学生を対象に、認知行動療法を生かした心理教育プログラムが開発され、ミネルヴァ書房が書籍にまとめて刊行した=写真。発達障害などを専門とする神尾陽子医師(神尾陽子クリニック院長)などによるもの。1回60分のセッションを計10回として構成。授業の指導案に準じて進め方を解説し、児童らを対象としたワークシートや、黒板に記載する内容を「板書計画」として示している。
 この心理教育プログラムは、自閉症の傾向がある子どもは不安を感じやすいとして、児童の不安を軽減することを目指して開発。不登校の子どもが通う適応指導教室(学校支援センター)や、中学校、高校でも活用できそうだという。東京都小平市の小学校での実証も経ている。
 計10回のセッションのうち、初回では、気持ちと体の関わりについて考えてもらう。
 冒頭では、「何かをする前に、自分ができるかどうか心配になったことがあるか」などを質問。主要場面では、「サッカーが苦手な小学生」の思いを提示した上で、不安を感じた場合、身体のどの部分にどのような症状や変化が表れるかワークシートに書き込んでいく。頭が痛くなったり、顔が赤くなったりするといった具合だ。
 2回目以降では、「不安の仕組み」「リラックス方法」「相づちの打ち方」「断り方」などを学んでいく。
 このプログラムを実施する際、専門性と経験は問わないとしている。1人の実施者が2~7人の子どもを受け持つ体制が望ましいという。
 ワークシートは、同社のホームページから入手して使用できる。4620円。

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