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一刀両断 実践者の視点から【第425回】

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元交際相手による教師殺害

 《小学校教師殺人事件の初公判 元交際相手の男「間違いありません」 起訴内容認める 合鍵作って侵入 クローゼットで待ち伏せ…包丁2本で多数回刺す》(北海道ニュースUHB社)という見出しの痛ましい記事を見て考えた事がある。気になったのは2人の年齢である。
 30代後半となると様々に考える事が出てくる。2人が出会った経緯や、さらには殺害にまで発展している事から、恋愛経験の歪さや偏りを想像してしまう。
 生活習慣を考えて教師が職場内で交際となり、結婚が決まるとどちらかを異動させていた。
 以前にも教師が巻き込まれる事件が起きた記憶がある。すなわち巻き込まれる要素が高いようにも思える。
 概して男女交際の経験があまりなく、免疫が作られる間もなく教師となり、その職の性格上、無防備な程に善意で受け止めたり相談に乗る傾向がどうしても強くなる為に、中途で危険を感じても騒がれたくもないし断る事に慣れていない為に手遅れになるのではないかと推測される。
 こうした悲劇は子ども達にとっても忘れられない悲しい出来事となる。以前ならば管理職にも相談できたがプライバシーの高まりと共に声を掛けにくくなっているのも要因の一つになっているのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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