日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

いじめ防止法 こどもガイドブック

20面記事

書評

佐藤 香代・三坂 彰彦・加藤 昌子 著 まえだ たつひこ 絵
小学生向けにQ&A方式で解説

 いじめ防止対策推進法が制定されてから、10年が経過したが、依然としていじめの件数は減らず、重大事態も増加している。また調査を巡るトラブルも多発している。
 本書は小学生向けに書かれたもので、3人の弁護士が児童の相談に答える形を取っている。まず、いじめ防止対策推進法の代表的な条文の解説から始まり、いじめと人権、子どもの権利条約との関係も解説している。
 3章以降は、「『いじめ』を受けたらどうする」「『いじめ』てしまったらどうする」等について書く。またエピソード(事例)として、児童からの相談に弁護士が答える。そして「コラム」や「ためになる情報」等も掲載。本書で強調しているのは、「安心の権利」「自分の価値を実感できる権利」「自分で決め、自分の意思が尊重される権利」の三つの権利である。この侵害がいじめの判断基準となっている。
 さらに人権が傷つけられると、他の人の人権を大切にできなくなる。自分の人権を大切にすることが、大切な人を守ることにもなると訴えている。
 重大事態調査のトラブル増加で、現場からは「当事者間の裁判になった方がいい」という声も聞かれる。いじめの相手より訴えやすい行政・学校が対象となりやすいようだ。諸外国では加害者への厳罰化も見られる。法の見直し時期が来ている。
(1650円 子どもの未来社)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

書評

連載