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シリーズ 学びとビーイング 3.学校内の場づくり、外とつながる場づくり

18面記事

書評

河口 竜行・木村 剛・法貴 孝哲・皆川 雅樹・米元 洋次 編著
多様な立場の実践者が寄稿

 仲間たちと教育について語り合うのは楽しい。実践や教育観を紹介し、意見交換する中で新たな視点やヒントを得て、次への意欲が湧いてくる。
 コロナ禍に直面した学校休業やオンライン授業は、「学校とは」「授業とは」という「問い」を投げ掛けた。「教える」から「学ぶ」への授業観の転換や今日的課題が次々と生起する時代にあって、教師こそが「学び手」にならなくてはならない。
 本書は、「学び」を大事にしたい、「ドゥーイング(Doing)ではなく、ビーイング(Being)から考えるとはなんだろう」などと、問い続けている中学・高校の現役教師や研究者たちが企画・編集した「シリーズ 学びとビーイング」の第3巻。学びの場、安心・安全の場をどうつくるか、学校外とつながったときの生徒の成長などの実践を紹介。
 特色は、各地で精力的に実践を行うさまざまな立場の人からの寄稿が25編も掲載されていること。それぞれの実態に即して挑戦する姿に元気をもらう。また、後半には、編集委員による座談会や授業訪問、経験談や提言、図書の紹介など多彩な内容が詰め込まれており、自分も研究会に参加しているかのような気分になる。
 今は、Webを活用してつながり、編集委員らと情報交換ができると、サイトも紹介している。第4巻は、「学び続ける教師のあり方(Being)とは?」の予定。刊行が待たれる。
(1980円 りょうゆう出版)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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