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一刀両断 実践者の視点から【第448回】

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「大丈夫」の言葉を残し亡くなった生徒

 《山形の中3男子が自殺 第三者委「いじめが原因とは断定できない」》(産経新聞社)という見出しの記事では、「明確に存在すると断定できる情報は得ることができなかった」としている。
 この記事によると、亡くなった生徒は同級生からSNSで「死ねばいいのに」「生理的に無理」といったメッセージが届いていた。相談を受けた教員はそうした言葉を発した生徒に、「言葉には気を付けるように」と指導し、亡くなった生徒は「同級生とのいざこざはなくなった」と回答していたという。
 この生徒の内面の優しさや周りへの気遣いが感じられ、かなりのダメージがあった事が推測される。いじめられた方の心の傷は深くそれは時が過ぎても消えるものではない。
 個々のメンタル耐性や違いを丁寧に理解できるスキルや経験のある委員なら判断は異なったはずではないだろうか。第三者委員会はほとんど存在しないし、その委員の選定の仕方からして結論は見えている事が多い。
 特にこうした思春期の心の動きは千差万別で、時に何気ない一言で傷ついてしまう時期である事は人間誰しも経験していることではないだろうか。
 言葉で「大丈夫です」と言っても、それをまともに受けて大丈夫だ、問題はない、直接の要因とは言えないと結論づける事務的な委員を専門家としているところに問題があるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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