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学級経営を「失敗してしまった先生」と「成功につながった先生」のちょっとだけ違う思考法

19面記事

書評

髙橋 朋彦 著
落ち込む先生にエールと改善のヒント

 評者の教職人生の1年目はいつも失敗が付きまとっていた。新卒時代ならともかく、教頭時代も校長時代も。失敗の洗礼を何とかやり過ごして厄が落ちる毎回の悲しいルーティン。
 著者も失敗のたびに改善して今日の自分を築き上げている。本書のCONTENTSの構成は、冒頭に1行失敗談、タイトルが成功例となっており、そのエピソード、最後にまとめのポイントと分かりやすい。エピソードには自身の経験から改善した例や、先輩からの学び、本・研究会等から得た知見を紹介している。
 「学級づくり」「授業づくり」「日常生活」「生徒指導」「学校行事」「気持ちのもち方」と6章立てで、失敗をして落ち込んでいる先生方にエールを送る。
 例えば、第6章「気持ちのもち方」の「方法を変えなかったら失敗した」のページでは、「常に新しく学び工夫・改善したら成功につながった」とし、これまでの授業スタイルをやめ、目の前の子どもに合わせた方法に変えたら「今日の授業わかりやすい!」と成功につながった。Un‐Learn(学びほぐし)につながるものである。
 失敗して学んで力量を上げる教師のキャリアパスは尊い。でも、保護者側からしたら、先生の失敗時期に、自分の子どもが当たってほしくないなあ、と小さくつぶやいたりもしている。
(2156円 明治図書出版)
(青木 一・信州大学大学院特任教授)

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