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一刀両断 実践者の視点から【第466回】

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論説・コラム

人相に心が表れる

 この人相だと犬に吠えられるだろうなと感じられる人がいる。私も権力や妬みに心が汚染されている時にはそう感じる自分がいた。自分を卑下し比べて少しでも優位になると慢心となり傲慢になるのである。
 子どもの人相がおかしくなるのは四年生あたりからではないだろうか、影が付き始める。
 私が妻と結婚したのは第一印象であった。天真爛漫で裏がなく嫌味がない清々しさがあった。その印象は今も変わらない。会った翌日にプロポーズしたのだから性急すぎた反省はあるが判断は間違ってはいなかったように思える。
 いつも不満が出ている人、愚痴が顔についているような人、それは顔の作りでも肩書きでも財力でもなく、心の表れなのである。それは人徳の成せる表れなのかもしれない。
 これまでで一番印象深いのは皇居奉仕団として当時の美智子皇后陛下に間近でお会いした時である。天皇を気遣い笑顔を絶やさず労を労う姿に涙が自然と溢れ出た事を思い出す。
 それに比べて、人を責め、人と比べる心の癖のある貧相な人に会うと、「何が不満ですか?文句があるのですか?その命が人相にハッキリと出ていますよ」「不幸を自ら演じているのはあなた自身ですよ」と伝えたくなる。
 他を羨み自分を卑下するその腐った根性は往々にして少年期に根が生える気がしてならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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