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一刀両断 実践者の視点から【第467回】

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学校給食時の事故を防ぐには

 ウズラ卵を使った給食で、その卵を詰まらせて小学校1年生が亡くなったという。大きな課題を残した。
 食は家庭それぞれに習慣化されている。かなりのスピードで飲み込むように食べる児童とよく噛んで食べる児童とでは食事の時間は比べ物にならない。
 皆が食べ終わって昼休みになっても視線を気にしながら食べ続けている児童は少なくはない。
 教師は給食の配膳指導から食べ方から自分も食べながら見ているのでどうしても早く食べることになる。時間割表の中を見れば分かるが食器や食材を運んできて並べて30名の児童に配給し全員で「いただきます」をする。
 もっと時間をゆったりと取りたいのが本音だが、休み時間などを組み込むとぎつぎつになる。それは教える内容が多すぎるからである。
 人間の食感は12歳頃までに決まると言われるようである。そのような大切な時期に早食いをせざるを得ない実態があるのに、改善されてはいない。改善できないのである。
 ウズラの卵は噛まずに飲み込みやすい食材である。喉に詰まらせる危険度は想定できる。必ず一度お口の中で噛んで潰してから食べましょうとすればよかったのか、そしてそれは学校のすべきことなのか。
 誤嚥の救急措置を私は大学の授業の中の特に特別活動論で演習している。こうした防げる事故は防がなければならないからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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