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大人もときめく 国語教科書の名作ガイド

16面記事

書評

山本 茂喜 著・野宮 レナ イラスト
再読、通読で新たな魅力発見へ

 「ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました」。これは新美南吉の作品「ごんぎつね」のラストシーン。秋の情景とともに兵十とごんの心情の移り変わりを読み取っていく教材だ。ある時期には全ての国語教科書に掲載されていたので、思い出す人も多いのではないだろうか。
 教科書に掲載される作品は、専門家たちによる教材としての価値や妥当性等についての検討を経ており、中には何十年もの長期にわたって掲載され続けている名作もある。また、ジェンダーの観点やもろもろの配慮、児童・生徒の反応、教師たちの声を受け止めて姿を消していったものもある。
 本書では、「スーホの白い馬」「モチモチの木」「白いぼうし」「やまなし」「わらぐつの中の神様」「銀の燭台」「杜子春」「一房の葡萄」「舞姫」等々、30点を紹介。
 教材文の一部と「こんなお話」(あらすじの紹介)、作品や作者についての解説、補足の情報などがあって興味深い内容だ。また、教科書の紙幅の関係で原作の一部を切り取って教材化したものもあり、作者名、入手可能な本、掲載された教科書および発行年の情報を案内している。
 名作と知っていても、実は全文を読んでいないことも多いものだ。また、年齢とともに読み方や味わい方も変わってくる。本書を手掛かりに、原作を読み直してみるのも楽しいのではないか。
(1485円 東洋館出版社)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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