日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第478回】

NEWS

論説・コラム

校長の転身と副業

 《「いろいろ考えて悩みました」元校長が“第二の人生”に選んだ『バス運転士』 児童たちも送迎で「いつもいつも終点に行くとホッとします」》(青森テレビ)という見出しの記事にいきいきと仕事をされる笑顔が浮かんだ。
 私の先輩も校長退職後タクシー運転手をされていた。そういう私も薬膳料理専門店を始めた。
 今でも妻には言われる。「何の相談もなくやった」と。今年10年を迎えて、相談していたらまず踏み出せなかったと回想している。
 今では妻の食の専門性が生きて名店となっている。地域貢献のために、障害者雇用のために、薬膳料理の本物を、そして不祥事で退職したなどの教員も雇用している。
 仮に利益だけならコロナで潰れていただろう。何の為という大義がないとこうした飲食店は持たない。
 雇われる側から雇う側になり苦労は増大したが初めて見える景色や価値観があった。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」がなかなか言えなかった。馴染まないのである。
 やっと本当の経営者に慣れた気がする。こうした副業も「福業」として兼務が出来たら職員や児童への見方も変わったと思える。
 兼業を許可しない気持ちも分かるが何時迄もそれでいいのだろうか。その方がよい経営が出来る人もいるのではないだろうか。校長の金太郎飴も考え直したらどうだろうか。「発車オーライ」と。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載