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一刀両断 実践者の視点から【第485回】

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土木技術と「やりたい仕事」

 《落石で橋が通行不能に→日本植民地時代の古い橋で代用 台湾東部地震》(朝日新聞社)という見出しで、土木技術の確かさを示す記事が出た。
 手を抜かない日本人の姿勢が再評価されているし、それに感謝している台湾の人々の心情が伺われる。
 京都に行くと琵琶湖疏水と言う日本の土木技術による煉瓦の疏水用橋梁が残る。
 こうした日本の技術者の歴史が子供達のキャリア教育に反映されていない。特に土木は「3K」とも揶揄されて後継者の育成が困難になっている。農業も漁業も、下町ロケットにも用いられる技術も似ている。キャリア教育を進めれば進めるほど離れていく事実がある。
 やりたい仕事を目指すには、しっかり勉強して大学へ行ってなどと、楽して儲ける思考が植え付けられているように思える。
 汗水垂らして苦労するから見えてくる景色や信頼があるが、そこに価値を置かずに馬鹿にしている若者が増えているように思える。
 教えている教師がそうした思考であり経験がない。教師等になったら一年くらいはクリーンセンターや子ども病院そして鑑別所などでの勤務を強いるべきではないだろうか。
 介護体験も有益ではあるが、国を支えている現業を理解しておく必要があると私は思う。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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