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一刀両断 実践者の視点から【第493回】

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あり得ぬ「クラス替えのミス」

 《新学期が始まった途端、中学校でクラス分けやり直し 「生徒指導上配慮できてなかった」3年生を臨時休校》(京都新聞社)という見出しの記事を見てため息が出た。
 クラス分けのやり直しは長年教員をしてきたが一度もなかった。そのミスが起きるとなると他にも曖昧な判断や仕事がされている事が推測できる。
 クラス分けは管理職も説明を受けて何度も確認して金庫に保管するレベルのことだからである。
 連休明けにトラブルが起きて直らずにやむなくクラス編成をしたという話は聞いた事があるが、今回のような数日で生徒指導上の配慮ができていなかったというのは、その作業がいい加減にされていた証明であり、ましてや3年生となると神経を使う。
 クラス数が多いからという理由は通用しない。何故なら生徒指導上の配慮が必要な場合は最優先にして組むからである。
 それを間違えたとなるとその視点が軽視されていたことになる。これはあり得ないレベルのやり方であり、それを認めた管理職の落ち度を指摘されても言い訳はできないだろう。
 気になるのはこうしたミスが起きること自体に、他にも起きているか、起きてくるのではないだろうかと思えるからである。信頼は一瞬にして失い、信用を築くのは死闘の如き厳しさがあることを自覚されていて欲しい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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