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一刀両断 実践者の視点から【第504回】

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免許なし、無報酬でも授業

 《“小学校の教員免許”ないのに無報酬で1週間授業 6時間分授業は「未履修」に 9日今後の対応を保護者に説明へ 北海道小樽市》(HBC北海道放送)という見出しの記事をどう見るか。あり得るだろうとするのが学校現場を知っている者の意見ではないだろうか。
 記事によると、中学校の免許状を持つ教員が、小学校の臨時免許状の発行を待つ間、無報酬で小学校の授業を受け持っていた。
 それほどまでに教員不足が緊迫しているのは以前より想定内のことである。免許を取得していない事は法的には不正であるが、免許が無くとも自学してそれ以上の授業ができる者もいる。臨時免許を出す制度そのものがそれを物語っている。
 臨時免許申請は自己負担で印紙代は税金として県が取るのだから酷いものである。すなわち善良なる市民が負担を強いられ責任を追及されて、その事を想定しながら自らを改めない行政は問題視されない現実にメスが入らないのだから不思議でならない。保護者に謝罪するのはどっちなのか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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