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一刀両断 実践者の視点から【第514回】

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教員免許の扱い、実態と合わぬ

 《免許失効の60代非常勤講師、県立高で授業》(読売新聞社)という見出しで報じられた件のそもそも原因は何処にあるのか。免許更新を強いたのは文科である。なぜ、進化が著しい医療現場の医師や看護師には免許更新を求めないのか。
 教員は文句を言えない従業員と捉えているからではないだろうか。これも学校現場の実情を知らない政治家が求めた施策であり、更新をしても何ら授業力が上がり不登校が減る事はない。
 更新料は教師持ちにして大学等へ利益を取らせる仕組みは、まさに悪徳と言われても仕方がない仕掛けと揶揄されている。
 考えようによっては、教員免許自体、指導経験が豊かな人にとっては不要の域にあるのではないだろうか。
 「免許、免許」と騒ぐのは実態と合っていないことは教委も理解しているのではないだろうか。
 今回のような場合でも、問題を生まないように猶予期間を長く設けたり、現場を離れることなく後付から免許を出すようにすべきではないだろうか。
 現場が先で免許を優先する矛盾が広がっているのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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