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気温上昇に伴い、進化する暑さ対策

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学校では手作りのミストシャワーの設置も進んでいる

ウエアラブルな暑さ対策

 近年、夏場の屋外労働環境では、従事する従業員の熱中症対策として内蔵ファン付きウエア(空調服)や、凍ったペットボトルや保冷材などで冷たい水を循環させて身体を冷やす冷感ウエアが浸透。こうしたウエアは気温上昇に伴って一般の大人や子供用にも波及しており、アパレルメーカーによる暑熱軽減ウエアの開発も年々ヒートアップしている。
 そのほかにも、作業員の体温や心拍数をリアルタイムでモニタリングできるスマートウオッチやウエラブル端末、首にかけるウエアラブルサーモデバイスなど、ウエアラブルな暑さ対策が進化していることも見逃せない。最近では、首を冷やして高い冷却性を実現し、40度の環境下でも快適に働けるモデルも登場している。
 また、学校では手づくりのミストシャワーや水を霧状にして放出するミスト扇風機も設置されるようになっているが、濡れてはいけない製品を作る工場などの熱中症予防では、気化熱を利用して周囲を冷却する「濡れないミスト」の導入が進んでいる。加えて、作業員が涼しい環境で休憩がとれるよう、移動式冷却車両などを設置する企業もある。

デジタルサイネージやクラウドサービスも

 オフィスや公共の場などでの熱中症の危険度を伝える装置としては、WBGTをリアルタイムで計測してデジタル表示する環境表示器のほか、ふだん情報発信に使っているデジタルサイネージを、夏の時期だけ熱中症啓発に利用することも多くなっている。こうした使い方は、私立学校などの掲示板装置でも行われるようになっている。
 また、スマートフォンやICTの利活用が進んだことで、暑さ指数や体調管理をサポートする熱中症対策アプリを利用したり、WBGTなどの環境測定値をクラウドで共有できたりするサービスも、工場やスポーツ施設、学校で使われるようになっている。中には雨雲レーダーを表示できる機能もあり、ゲリラ豪雨による災害が増えている中で事前に把握できることは、学校にとっては魅力の一つになっている。

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