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「教師力アップ」に必須の最先端情報12カ月【第6回】

7面記事

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LDの子供たちの困り感に寄り添える指導方法を日本の教室にも!

LD(学習障害)の子も満足する特別支援の「個別最適の学び」
手塚 美和 TOSS SMILE

日本にない「当たり前の環境」がアメリカにあった

 「一人残らずどの子にも算数と国語(読み)の力をつける教育プログラム」
 アメリカで見たこのプログラムが忘れられない。
 TOSSでは、新型コロナ禍が始まる前、毎年、海外教育視察ツアーが行われていた。
 私はアメリカの特別支援教育を学ぶツアーに参加した。その一つがボストン郊外のビバリー市にあるHannah小学校だ。
 そこで見たIT機器を活用した授業。算数は「ST Mathプログラム」、国語は「Lexiaリーディングプログラム」だった。
 1年生の国語の授業を参観した。入学したばかりの子どもたち。日本と同様、アメリカでも入学時点で既に読みの力に大きな差があるようだ。しかし、どの子もその子に合った「読み」の学習をしていた。とても楽しそうだった。一人ひとりに合わせたステップで学習しているからだ。
 個別最適の学びを可能にしていたのが、「Lexiaリーディングプログラム」だった。できない子どもがどんな風にできないのかを見とり、適切にフィードバックしてくれる。子どもたちは着実に力をつけていた。これが公立の小学校なのかと目を疑った。
 私の経験では、入学して3ヶ月が過ぎた頃から、登校を渋ったり、離席したりする子が増えてくる。ちょうどひらがなの学習が終わりかけ、文字の量が圧倒的に増える頃に重なる。Lexiaリーディングプログラムの様な指導があれば…と強く思った。
 別日には、LD児童の教育に特化した私立「ランドマークスクール」も参観した。
 写真は、その算数の授業場面だ。わり算のアルゴリズムの習得を、体を動かしながら行っている。マルチセンサリー(多感覚)による学習である。マルチセンサリーを活用した指導は他にもさまざまにあった。
 ランドマークスクールでは、他にもたくさんの指導の工夫を見ることができた。
 例えば、子どもが学校の図書館の本を借りる時。その子の力に合った本が「さりげなく」司書教諭から薦められる。司書教諭は子どもたち一人ひとりの状態をすべて覚えているという。
 授業で鏡文字を書く子。教師が「ニコニコマーク」をそっと黒板に貼り、柔らかな視覚支援で修正を促す。
 ランドマークスクールを卒業した全員が着実に力をつけ、大学に進学するというのも頷ける。
 エビデンスのある論文が世界中で発表されている。海外の指導法を取り入れていくことも、教師の大切な研修だと痛感している。

特別支援教育の最先端を学ぶ
TOSS特別支援教育セミナー
小嶋 悠紀 TOSS特別支援教育事務局長

 TOSS特別支援教育が大切にしているコンセプトは、「教えて→褒める」だ。
 日々の教室での、児童・生徒との関わりで、私たち教師が子どもたちを傷つけることなく、自尊感情を向上させることが重要である。
 年に2回、TOSS特別支援教育セミナーを開催している。
 毎回、発達障害の専門の小児科ドクターや研究者など、専門家をお招きしており、特別支援教育の最先端を学ぶことができる。
 2021年は、不登校対応の専門家を招き、発達障害のある子どもと不登校の関連性や、学校としてできることは何かを教えていただいた。
 セミナーでは専門家だけでなく、TOSS特別支援教育セミナー専任の講師が、実践の中での合理的配慮やユニバーサルデザインをご紹介している。
 来年2月には安原昭博ドクターにLD児童への支援のあり方を講演いただく予定。

【詳細・お申込み】
 https://seminar.toss-online.com/

今月の教材紹介
谷 和樹の本

教師のベーシックスキル7+3 (1)(2)
谷 和樹 著

 若手からベテランまで授業で必須の教師のベーシックスキルを解説。(2)には「オンライン授業での教師のベーシックスキル」も収録。
 (1) 定価1800円(+税)
 (2) 定価1900円(+税)

プロ教師・谷和樹の「子供が熱中する国語授業」
若井 貴裕 著
谷 和樹 監修

 プロ教師・谷和樹の実際の授業を若手実力派教師・若井貴裕が徹底分析。谷和樹のプロの技が学べる1冊。
 定価1800円(+税)

 お申し込みは、教育技術研究所まで。

 問い合わせ 教育技術研究所 0120(00)6564
 https://www.tiotoss.jp/

「教師力アップ」に必須の最先端情報12カ月