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部活動改革2・0 文化部活動のあり方を問う

19面記事

書評

長沼 豊 編著
初任の顧問免除など提案

 運動部活動を取り上げた類書は少なくないが、文化部活動に焦点を当て、そのあり方を提起した時宜を得た一冊である。編著者は日本部活動学会会長を務める。
 文化部活動の教育的意義や、各地で取り組まれている文化部活動の実践とその課題にも紙幅が割かれている。
 例えば、漫画「ちはやふる」によって急増した「競技かるた部」などは、競技人口が急増したことで指導者不足や、保護者対応、県組織レベルでの専門部メンバーの不足などが課題として報告され、その解消の一つの手だてとして、卒業生らによる指導や、大会運営などに関わるボランティア組織の活動などを紹介する。
 地域、学校により「礼儀部」「総合文化部」「郷土芸能部」「軽音楽部」の他、商業系部活動、新たな文化部活動の姿を模索する「未来創造部」など、多彩な顔も掲載した。
 また、スポーツ活動の部活動並みといわれる「吹奏楽部」についての現状と課題を語る座談会、働き方改革から見た現状と未来、小学校でのクラブ活動の意義など、それぞれに一つの章を充てた。
 編著者が提言する教員初任の3年間の顧問免除や、部活動に関わるガイドラインを順守した大会、コンクールのみの参加許可なども含め、部活動を見直す視点とアイデアにあふれる。
(2160円 中村堂)
(吹)

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