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「校内研究・研修」で職員室が変わった!

13面記事

書評

2年間で学び続ける組織に変わった小金井三小の軌跡
村上 聡恵・岩瀬 直樹 著
意識、組織の変化をリアルに追体験

 毎年、多くの研究授業が生まれ、研究紀要が編まれている。多くは「仮説検証型」の研究だろう。改革が求める課題をテーマとする校内研究は、時代のニーズやテーマが内包する課題などを理解していくという側面がある。
 一方で、教員にとっては「やらされ感」や、予定調和的な“解”に、校内研究や研修への忌避感が生じているのも事実だろう。
 本書は、校内研究や研修に焦点を当て、伴走者となった研究者(岩瀬さん)、研究主任(村上さん)、同僚(東京都小金井市立小金井第三小)の思いを時系列的に再構成し、教員の意識、組織が変化する様子をリアルに追体験できるよう工夫してある。
 研究者は研究内容よりもむしろ研究するための組織、研修の形態の変革を指し示し、教員らは「まずやってみよう!」「やってみなよ!」を合言葉に各人の目指す子どもたちとの向き合い方にチャレンジする。
 校内研究の担い手が「自分」であることに気付き、対話やプロセスを重視しながら自分たちの思いを体現する研究の内容や手法、研修方法を開発していく。
 「仮説生成型」の研究はゴールそのものを創造しなければならない。ゴールを見つけるプロセスを経験した教員らにとって、研究期間の終了が研究の終わりではない。研究発表後にも、新たな活動を生み出す姿は「学び続ける組織」の証しである。
 多くの教員に読んでほしい。
(2310円 学事出版)
(矢)

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