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博報堂流 対話型授業のつくり方

16面記事

書評

大木 浩士 著
7000人への出前授業踏まえ解説

 博報堂流と冠を付けた理由を考えながら読み進めた。一番の印象は、正直に実践をまとめ、分かりやすく整理し、説明していると感じた。文科省は、対話型授業を奨励してはいるが、養成段階で対話型授業をほとんどの者が経験していない。よって、うわべだけのごまかしのようにも感じられていた。その対話型もどきの授業がアクティブ・ラーニングではない。それではあまりにお粗末過ぎる。その後、「主体的・対話的で深い学び」というキーワードへとかじを切ったが、学校現場は困惑の度を増したようにさえ感じられる。
 それを支援すべく本書は、その深い学びにするためには、何が足りないのか、どこをどのように工夫していけば必然性のある対話型授業になるのかを生徒7千人に課した出前授業から解説している。よって説得力が違う。構成は、心構え、場づくり、傾聴技術、進行と設計の技術、体験ワーク、総合的な学習の時間のカリキュラム例と全6章にまとめ、企業人らしく表現もコンパクトで分かりやすい。
 決して目新しいことではなく、生徒の思考に沿いながら、曖昧だったところを整理し、意味のある、そしておのずと前のめりになってしまう心理や技術のエキスを惜しげもなく放出し書いてある。600校での授業実践は、即、取り組めるものばかりである。若年層教員の育成テキストとしても最適と見た。
(1980円 東洋館出版社)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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