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菊池省三 365日のコミュニケーション指導 対話と絆をつくる最高の教室

16面記事

書評

菊池 省三・菊池道場 著
「価値語」の指導など6メソッド紹介

 残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大で、本書で展開されているコミュニケーション指導は、一時休止をしなければならないだろう。しかし終息したならば、ぜひとも取り組みたい実践例が満載の本である。
 著者の菊池氏は、コミュニケーション指導のメソッドを6点、挙げている。
 <価値語の指導、コミュニケーションゲーム、ほめ言葉のシャワー、対話のある授業、スピーチ指導、ディベート指導>
 この六つのメソッドの中でも、すぐに使えるものがある。「価値語」(人の考え方や行動をプラスに導く言葉)の指導である。これは菊池氏の現役時代の実践から生まれたという。
 大村はま先生の「ことばを育てることは こころを育てることである 人を育てることである 教育そのものである」を引用しながら、菊池氏は価値語の指導を推奨する。
 本書10ページに今月の言葉として価値語の具体例が板書で示されている。
 生活 単独で行動(力)、学習 「次」に備えるセット
 この価値語の指導こそ、授業づくり、学級づくりの土台に必要である。本書は教育において、価値語が日々の教育活動を高めることを、雄弁に教えてくれる。価値語の実践を大いに広めたい。
(2266円 明治図書出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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