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教員のICT活用を支援、生徒に役割持たせ 鈴鹿大学シンポから(3)

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 鈴鹿大学こども教育学部が1日、「遠隔授業の『過去・現在・未来』」を主題として開いたパネルディスカッション。
 開校から5年目を迎えた三重県立名張青峰高校では、開校当初から、情報通信技術(ICT)の活用に力を入れており、生徒それぞれが1台ずつタブレット型コンピュータを使える環境の中で、コロナ禍を迎えた。その経過を報告した向山明佳教諭は、ICTが苦手な教員を手助けするなどの担当を生徒の中で決めておいたことなどについて語った。
 同高校は4月以降の臨時休業期間中、双方向型の授業を試みたが、マイク・カメラの操作が煩雑になるという課題があった。そこで、学校側から生徒側への配信だけを行う「リアルタイムストリーミング授業」も行った。配信時間を決めてあり、相互の顔を見えないが、時間は共有するという形式だ。このような方式の下、生徒が規則正しい生活を維持してもらおうと努めた。
 臨時休業を終えて6月に入ってから、遠隔で行った授業を改めて行うことはなく、ポイントを解説するにとどめた。定期テストではあえて、昨年と同じ問題を出したところ、平均点は72点から70点に下がるにとどまったという。
 教員側の事情についても話があり、開校以来、1人1台体制は、「重い荷物」「使わない方が効果が上がる」という見方があった。一部の教員が「無駄にはできない」という使命感を持ち、教員を支援する体制を整えた。一部の生徒に「ICTリーダー」という役割を持たせたところ、教員から相談があったとき、喜んで手助けしてくれているという。

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