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音を振動・光で表す ろう学校などの児童向けプログラミング教材を無償公開

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音を振動・光で表す製品活用
富士通

 富士通は11日、聴覚障害者が音を振動や光で体感できる製品を活用したプログラミング教育教材の無償公開を始めた。ろう学校小学部の児童をはじめ、小学生を対象とする。児童はプログラムを組むことで、話し掛けられた際の声や自動車の音など、日常生活で聞こえる音を自分の好きな振動パターンや光の色に変えることができる。
 この製品は、「Ontenna(オンテナ)」と名付けられている。60~90デジベルの音を256段階の振動と光の強さに変換し、聴覚障害のある人に音の特徴を届ける。髪の毛や耳たぶ、服の襟元や袖口などに着けて利用する。
 昨年6月に体験版を全国のろう学校の約7割に無償提供して以来、学校現場では発話やリズム練習の授業などに活用されている。
 新たに提供するOntennaのプログラミング機能では、教育用のビジュアルプログラミングソフト「スクラッチ」を使用し、子どもたちが自分の聞きたい音に対して振動や光を自由に設定できる。例えば、「大きな音が鳴ったときに3回振動する」「小さな音をキャッチすると赤く光る」といったプログラミングができる。
 指導教材は東京都立葛飾ろう学校と協力して作成した。学習指導案や授業用スライド、ワークシート、プログラミング機能の操作マニュアルをウェブサイトで公開している。
 授業での利用は総合的な学習の時間を想定する。教材はろう学校の小学部4年生を対象としているが、3~6年生への指導にも使えるという。今後、小学校への普及も目指す。
 今回のプログラミング教育教材の公開に併せ、Ontennaを活用したプログラミング教育に興味のある学校や教育機関を対象に、10個を1カ月間無償で貸し出している。アンケートへの回答を条件とする。詳細は同社ウェブサイト(https://programming-ontenna.jp/)へ。

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