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令和2年臨時国会質疑から【第3回】

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 12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、斎藤嘉隆議員(立憲民主党)が臨時の学校休業について質問し、萩生田文科相は、柔軟に対応する考えを示した。

「コロナ休校、正しかったか」
 斎藤嘉隆議員(立憲民主党) 三月二日からの全国一斉休校について、私はちょっとこだわりがあるものですから、大臣といろいろやり取りさせていただきたい。
 私、この日、予算委員会でも質問させていただいて、突然の休校要請についての懸念をいろいろ申し上げさせていただきました。教育的な観点からいうと、本当に影響が大きかったというふうに思っています。
 二月二十七日に総理が全国の学校の休校要請をなされて、予算委員会の質疑で私、大臣にお聞きをして、大臣がその要請をすることを初めて、初めてというか、具体的に知られたのは当日のその四時間前だという御答弁だったんですね。これ、教育のまさに責任者である大臣の、何というか、事後承諾のような形で、教育への影響を十分これ検討したものとは到底思えない、そんな判断だったというふうに思います。
 そもそも政府の対策本部は、学校の臨時休業は都道府県などが要請をすると、こういう基本方針を定めたのが二日前の二月二十五日なんです。それを受けて文科省は、学校休業の判断は自治体に委ねるという通知も出しているんですね。にもかかわらず、二日後にこのような要請があった。極めてインパクトが大きくて、教育現場は本当に混乱をしたんですけれども、これはもう終わってしまったんです。終わってしまったんだけれども、総括をする必要があると思うんです。コロナの感染拡大抑止にこれ、この休校は効果があったんでしょうか、正しかったんでしょうか。細かい総括をやっぱりしないと、この後に生きていかないと思います。
 政府として、文科省として、どのような総括的な評価をしているのかをお聞きをしたいと思います。

「答えを持ち合わせぬ」
 萩生田光一文科相 四月以降の自治体ごとの休校も含め、一部の学校において感染の事例が報告されましたが、学校内での感染が拡大したり、学校を中心とした地域に感染が拡大したりした状況にはなく、休業を要請した趣旨はおおむね達成されたものと考えています。三月の全国一斉休業の後、海外における多くの国においても感染防止対策のために有力な手段として休校措置がとられることになったのは御承知のとおりでございます。
 二月のやり取りのことを触れていただきましたけれども、率直に申し上げて、私、あのときにも予算委員会で正直に申し上げましたけれども、私自身は全国一斉で休校をやる必要性はないということを申し上げました。
 しかしながら、あの頃はやっぱりウイルスの性質というのはよく分からなくて、専門家会議の皆さんの中でも意見が様々分かれていましたし、毎日のように専門家と称する方たちがテレビに出て、チャンネルごとにいろいろ違うことをおっしゃっている、あの時期でございました。
 総理の中にあった懸念は、七年前に遡る新型インフルエンザのときに、まさに学校現場がクラスターになって、五十万以上の感染に広がって多くの死者が出たというその経験値に非常に危惧をされていまして、そういった意味で、子供たち守るために休校の必要性があるというやり取りを官邸の中で随分しました。
 先生御指摘のとおり、短期間でそのことを決めることは教育現場に多大な影響があるということは私も十分認識しておりました。ですから、判断にはすごく悩みましたけれども、しかし、この先がどうなるのか、これをやることとやらないことのメリット、デメリットまで私自身は自信を持って整理することできませんでしたけれども、ここは大事を取って、一回、春休みまで約二週間の時間だったので、まあこの春休みを前倒しにするというような、頭の中ではですね、そういう感覚もあって、この二週間は大事を取って全国一斉休業を要請をしてみようと。
 しかし、これは、自治体がそれぞれの地域性で感染状況も違いますので、私は正直申し上げて、それぞれ自治体の判断を尊重するということも翌日の記者会見でも申し上げたところでございまして、じゃ、今振り返って大きな成果があったか、正しかったかと言われても、今日の段階で私、答えを持ち合わせておりません。
 御指摘のように、少し落ち着いた段階でしっかり検証して、今後こういったことの判断が果たしてこういう方法でいいのかどうかということは大いに議論していきたいと思いますし、他方、それをきっかけに全国の皆さんが問題意識をすごく持っていただいたことは事実だと思います。それから、それをきっかけに子供たちの学びを止めちゃいかぬということで、オンラインの整備などが急速に進んだことも事実だと思いまして、そういった副産物的な成果というのはあったと思うんですけれども、あの一斉休校が直接感染拡大に大きな成果を示したかどうかという科学的な知見については、現段階では承知していません。いずれの機会かに、おっしゃるようにしっかり精査をしたいと思います。

「政府主体の休校要請、あってはならぬ」
 斎藤議員 今、少し言及をいただきましたけれども、今の段階でどう評価をするかということが大事であって、今後のことにつながるものですから。これ、九月三日に文科省が発表した資料を見ると、学校が再開をした六月一日から八月末まで、感染が確認をされた児童生徒、再開後ですよ、再開後ですけど千百六十六人、一・七%、家庭内感染が半分以上、校内感染はそのうちの一五%、同じ学校で五人以上のクラスターが発生した事例は十八件、このうちの九件は中学校、高校でのいわゆる部活動におけるクラスターと、こういうことなんです。
 学校から地域に感染が拡大をした事例というのは、今の時点では確認はされていないと私は認識をしておりますし、これ諮問委員会のいわゆる、何というんですかね、議事録を見ても、休校についての取りまとめもなければ、どちらかというと否定的な意見が多かったというふうにも認識をしています。コロナの民間臨調でも、免疫学的にはもうほとんど意味がなかったと、こういう判断をされている。
 じゃ、こういうのを受けて、文部科学省としてどういう判断を、評価をしているのかということが大事であって、今まさに、大臣はこれから様々な客観的な資料も含めて検討をするということでありますけれども、今まさにコロナの第三波が来ているかもしれないという状況、北海道なんかを見ても、レベルでいうと第四ステージにみたいな地域も出てきている状況の中で、場合によっては自治体ごとの判断でまた休校というような話もあるかもしれない。
 ただ、私は少なくとも、今後ですよ、今後自治体ごとの判断はあるとしても、政府が主体となって休校をすべきだと要請をするというような、こういうことはあってはならぬと思うんです。このことを是非、大臣、御明言をいただけませんか。

「地域と連携しながら柔軟に対応」
 萩生田文科相 今まだ、まさにコロナとの闘いが続いている状況でありまして、予断を許さない状況にあると思います。しかしながら、今先生も御指摘いただいたし、私もそう思いましたけれども、若年世代については非常に感染率が低いということ、また、仮に陽性になったとしても重篤化をしたり命の危険にさらされた子供たちはいないというこの現状を考えますと、私は、今後全国一斉の休校を国が要請する必要は現段階でないと思っています。
 ただ、地域の感染状況に合わせてきめの細かい対応、言うならば二月二十六日の文科省のガイドラインに戻るような形で、地域と連携をしながら柔軟な対応を取っていきたいと思っています。
 (参院文教科学委員会令和2年11月17日)

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