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ホワイトボードでできる解決志向のチーム会議

14面記事

書評

佐藤 節子 編著
短時間で結論に至り、元気になる

 参加者みんなが元気になれる、明日から何をしたらいいか具体的に分かる、そんな魅力的なチーム会議の本が刊行された。
 本書は、教育相談の専門家である編著者と研究仲間が実践を積み重ねてたどり着いた会議の方法を、分かりやすく紹介した書である。今の教育現場に即した会議であると思う。実践事例には、学校でよく見受けられる事例が数多くあり、参考になる。
 この会議の特長の一つは、短時間でできる作戦会議であること。学校は忙しい。30分で結論まで至るのだから、すごい。
 二つには、「用意するのはホワイトボードだけ」という手軽さ。参加者全員の意識がボードに集中し、アイデアを共有できる。ボードの色分け等も工夫されている。議事録になるから記録は取らなくてよい。
 三つには、これが圧巻であると思うが、現実的な次の一手が生み出されるように、未来に目を向けた解決策をどんどん出し合う会議であること。原因探しはしない。みんなが当事者の気持ちで参加できる。「批判厳禁、質より量」等を念頭に、みんなが出すアイデアを、ファシリテーターが同等にボードに書く。どれを選ぶかは、最後に当事者が決める。
 課題解決とチームづくりが同時に進むし、未来志向だから、次の会議が楽しみになる。
 学校での活用を、ぜひお勧めしたい。
(2420円 図書文化社)
(谷 智子・高知大学客員教授)

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