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一刀両断 実践者の視点から【第46回】

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教員免許更新講習の廃止論

 教員免許更新講習が廃止に向けて動き出したようである。遅きに失した感はある。今年はやるのだろう。こうした決定の遅さが我が国にはよくある。必要ないのなら即刻止めるべきであるのにそれができない。
 また、誰も得をしなかったと評する教育評論家がいるが、ならば教師の支払った金額は何処へいったのかと問い質したい。教師の立場にたっていない教育評論家が殆どではないだろうか。
 講習費用は本来なら雇用側の負担であってもおかしくないのではないだろうか。ここも正せない組合の存在に意味があるのだろうか。
 肝心なのは教師としての人格や指導力の向上に、現在の研修が何処まで役立っているのだろうかと問いたい。力量のある講師が極めて少ない。殆どが大学教授や教委幹部経験者がなっているが、参加者を満足させても、行動や自己革新を呼び覚ますものとはなっていない。
 その意味でも講師選びを熟慮して部外者からも登用するべきである。ただし、経済界を優位とするのは教育には馴染まない。何故なら対象が違うからである。
 ちなみに私は校長定年後の講演や相談は企業と教育が半分程になっていて、最近は企業経営者対象の講演が急増している。それは人づくりの専門家と認知されたからかもしれない。
 免許更新講習でなく人格形成、人格鍛練の講習をすべきではないかと強く提言したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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