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若年層の投票率向上へ 衆院選争点に「子育て環境」を

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 来る衆議院選挙で重視する政策について、若者や女性は「現役世代の働く環境を改善」や「コロナ対策」、子育て環境の改善」への関心が高いことが分かった。若年層の投票率を向上させようと、子どもの学習支援を行うNPO法人などからなる市民団体が調査を実施。この調査で関心が高かった項目を「争点10+」としてまとめ、衆院選に臨む全ての政党・候補者に考えを尋ね、公表する方針だ。
 この調査は8月26日から31日にかけてインターネット上で回答を募ったところ、4万4629件が集まった。そのうち10代は1700件(3・8%)だった。
 衆議院選挙で重視する政策分野を選択肢の中から全て挙げてもらったところ、多い順に

 (1) 現役世代の働く環境を改善(76・3%)
 (2) コロナ対策(69・8%)
 (3) 子育て環境の改善(61・5%)
 (4) 消費税含む税制改正(61・0%)
 (5) 貧困問題・格差是正(59・5%)

 ―という結果が出た。
 併せて「ハラスメントを禁止し、性暴力被害者を支援してほしい」など17項目それぞれについて「とてもそう思う」から「まったく思わない」まで五つの選択肢の中から一つを選んでもらい、「争点10+」を絞り込んだ。
 このうち、子育て関係では、「児童手当の高校卒業時までの延長について、賛成ですか。また、その理由について教えてください」とし、衆院選候補に尋ねることとした。
 9月24日には市民団体を構成する各団体の代表らが集まり、厚労省で記者会見を開いた。アンケート結果についての見解や今後の活動について、参加者が意見を述べた。
 未成年を対象に模擬選挙を行っている団体の林大介事務局長は、平成28年の総務省の調査結果を引用。高校で選挙や政治の授業を受けた人は、受けていない人より投票した割合が約7ポイント高いことや、子どものころに親の投票に同行した人はそうでない人に比べ投票した割合が20ポイント以上高いというデータを示した。
 日本若者協議会の代表を務める室橋祐貴氏は、今回の調査結果のうち、これまで選挙に行ったことのない層に限定して分析。全体では今秋の衆議院議員選挙が行われるのを「知らない」という回答が21%だったが、選挙に行ったことのない層に限定すると54%にまでなることに危機感を示した。
 学生などからなる団体の三重大学4年生の細谷柊太さんは「若齢層と高齢層で問題意識に違いがある。若い世代は身の回り、直近の将来に関心が高い傾向がある。さらに遠い未来を想像しながら、政治に関わる意識の醸成が必要だ」と見解を述べた。
 同じ団体のメンバーで関西学院大学4年の尾上瑠菜さんは「若者の間でも政治的関心の高い人と低い人の差が大きいと感じる。学校の主権者教育も工夫が必要だ」と話した。
 この市民団体は今後、政党や候補者に対して、ヒアリングを実施。若年層の関心事について意見を聞く。こうして集めた情報は同団体のホームページに掲載する予定だという。前回の衆院選の投票率は54%で、若年層の投票率が特に低かった。この市民団体は、今回の衆院選での若年層投票率75%を目標に活動している。

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